ここでは、REIT(リート)銘柄の割高・割安を判断する基準の一つ、FFO倍率について解説します。
FFO倍率とは、現在のREITの価格が、理論上、割安か割高かを判断する指標です。NAV倍率とほぼ似たような基準と考えていて良いでしょう。
株式理論でいうところの、PERにあたります。
自分で計算をすると少々面倒なので、FFO倍率の値を知りたい場合は、証券会社等のサイトですでに公表中のFFO倍率を確認しましょう。
FFO倍率は、数字が低ければ低いほど割安ということになります。
NAB倍率は1を基準に割安か割高かを見るものですが、FFO倍率は、他の銘柄に比べて割安かどうかを見ることができます。
まずREIT全銘柄(2月10日現在50銘柄)のFFO倍率の平均をとり、狙っているREIT銘柄のFFO倍率が、平均より下であれば割安と判断できます。
また、REITの同じカテゴリに属する銘柄陣の平均を取り(住宅特化型銘柄など)、この平均から、自分が気になる銘柄が上か下見れば、割安感・割高感が一層リアルに感じられます。
FFO倍率は、株式理論のPERに近い発想と紹介しましたが、大きく異なる点もあります。
株式の世界でPERは、多くの問題が指摘されている指標です。
その中の一つに、会社によって、同じ業種だったとしても収益性が違うという問題があります。例えば、同じ自動車業界でも、トヨタと日産は収益性が違います。これがPERという指標の信頼を落とす原因でした。
しかし、REITは投資対象が全て不動産です。不動産の収益性は、安定しています。株式銘柄に比べると、各REITの収益性に大きな差異はありません。
よって、REITにおけるFFO倍率の値は、収益性の違いを考えずに率直にとらえて良いでしょう。